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静かな静かな午後である。連日100名以上の感染者が出て、医療崩壊を起こしかけている香港ではマスク着用が義務化、外出を控えることが推奨され、家族以外の人とは2人以上集まらないこと、そして外食は禁止という状況下にある。人口約750万人、1日辺りの感染者も百数十人ということで今日現在で比較すると愛知県とほぼ同じ状況だ。

これで病院がパンク寸前ということは香港の医療体制はやはり日本ほど良くないのかな。思えばもう一年以上、ほとんど日本から訪れてくる人はいない。2019年6月12日に逃亡犯条例改正案に反対するデモが始まり、ちょうど一年前には以下のブログをアップしているので充分にものものしかったわけだ。

https://www.borderless-investment.com/world/2396/

デモ活動はその後エスカレートして1年以上続き、2020年7月1日に中国政府が香港の頭越しで香港国家安全法を制定するに至った。それ以後、デモ活動はほとんど行われていない。(実際国家安全法が原因でデモが収まったのか、コロナ禍で集合できないのが原因なのかはまだ判別ができないが)そこから遡ること4ヶ月、3月下旬にはコロナ流行予防のため外国人の香港入国を禁止している。大きな打撃を被っている香港の観光業界をはじめとしたいくつかの産業はいまだ暗闇の中という感じだろう。こうした業界は本来ならデモが収まった時点で胸をなでおろしていたところかもしれないがそうはなっていない。香港はデモとコロナという2つの危機に見舞われており、そのうちの一つが減退してももう一つが残っているからだ。

今、同時に複数の危機に見舞われているところは世界に少なくない。もちろん危機のひとつは世界共通で新型コロナウィルス(Covit19)の流行だ。世界の多くの地域ではそれに加えて平時でもあまり起こらないような危機や災害が発生している。

日本の場合は豪雨災害。九州や東北で歴史的豪雨(ここ数年毎年のように”歴史的”が発生しているのだが)により球磨川や最上川が氾濫、流域に大きな被害が出た。被災者ももちろんだが、復旧活動をするにも感染予防に注意を払いながら進めなければならないのは大きな負荷だろう。また別にかねてから予測されている直下型地震や富士山噴火の可能性の高まり、このままもし昨年のような台風が来たら、、など今後への心配は絶えない。

日本よりもはるかに大きなスケールでの水害に見舞われているのが中国。長江や黄河、淮河という大河や夥しい数の支流で氾濫が発生、世界最大の三峡ダムをはじめ多くのダムで決壊を防ぐための放流も加わり、流域の広い地域が冠水、被災者数は7月下旬時点で4,500万人に上る。国際支援が必要なレベルと思われるのだがコロナ禍で入出国すらままならず、国際社会にもそもそもそんな余裕はないだろう。人権問題や領土問題などで諸外国との関係がぎくしゃくしてきているというところで今後新たな危機が加わる懸念もある。

コロナ感染者数・死者数で群を抜いているアメリカではミネソタ州ミネアポリスで警察官による黒人市民の殺害事件をきっかけに至るところで大規模な人種差別抗議デモが続いており、その中のいくつかは暴動や略奪に発展している。

アフリカ・中東の一部地域、パキスタン、インドなどではサバクトビバッタというバッタの大群が飛来して農作物を食い荒らす蝗害(こうがい)が深刻な状態にある。1平方kmに8,000万匹の群れは一日に35,000人分の食料を食い尽くすほどの規模で数千万人の飢餓状態が発生するのではないかと心配されている。

ロシアや北極圏では異常気象による高温が記録されている。極北の地で30度を超える気温が何度も記録され、真冬の平均気温はマイナス40度を下回るベルホヤンスクでは6月に38度というシベリアにおける史上最高気温を更新した。永久凍土が溶けて建物が傾いたり、森林火災が多発している。

森林火災と言えば、オーストラリアやブラジルでもし昨年と同じような火災が起こったら、、というのも心配されるところだろう。

新型コロナウィルスの話題が幅を利かせているのは仕方のないことだが、仮にそれを取り去ってみても各地で未曾有の事態が頻発しているという事実に直面する。すべての回復を図るためにいったいどのくらいのお金が必要なのかは想像もつかない。もしかしたらコロナ対策に注ぎ込まれ巨額の資金も後の世の中から見るとごく一部なのかもしれない。現金をそのまま持っていることこそ危険なことなのかもしれない。

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