对不起,此内容只适用于日本語。 For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

 

最近報道などで、一党独裁の中国が国民の意見や感情などに関係なくトップダウンでどんどん物事を進めてゆけるので金融危機や伝染病の流行からいち早く脱出するなど一党独裁体制が功を奏しているようなことが耳に入ってくる。

道路やダムなどのインフラを整備するときも命令ひとつでそこに住んでいる人たちを立ち退かせてすぐに工事を進められる。新型コロナの流行を抑えるため外出禁止命令を出し、ドローンで空から出かけている人を監視、警告を発する。逆らうと面倒なことになりかねない、、と皆素直に従うのでスムーズに解決ができる。

トップダウンの効率

ちなみにドローンと言えばデリバリー、交通違反取締り、農薬散布、測量、消防、有人飛行による空中タクシー等あらゆる産業や業務を画期的に進歩させる可能性を秘めているが人権意識の高い国では落下事故などへの配慮からたいてい強い規制を設けており実用実験がなかなか進められない。しかし中国はそれほどそこに配慮しないのでこの分野の進歩は目覚ましい。つまり独裁体制は急速な技術革新にも大きく寄与する側面もある。

民主国家、独裁国家

民主国家か、独裁国家か。

世界の国の政治体制には大きく分けてこの2種類がある。必ずどちらかにきっぱり分けられるわけではなく、実際は完全な民主主義と完全な独裁主義の間に不完全な民主主義や不完全な独裁体制がグラデーションを描くように存在している。英国の定期刊行物である「エコノミスト(Economist)」の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(The Economist Intelligence Unit)が毎年各国の民主化度の度合いを調査・指数化のうえランキングとして発行している民主主義指数(Democracy Index)では以下のような4段階の分類を用いている。

完全民主主義(Full Democracies)
欠陥のある民主主義(Flawed Democracies)
民主主義と独裁主義の混合体制(Hybrid Regimes)
独裁主義体制(Authoritarian Regimes)

2019年の民主主義指数で最も民主化度が高いのは対象の167カ国の中ではノルウェーで上位22位までが「完全民主主義」に分類されている。

上位10位のランキングは以下の通り。

1位:ノルウェー
2位:アイスランド
3位:スウェーデン
4位:ニュージーランド
5位:フィンランド
6位:アイルランド
7位:デンマーク
8位:カナダ
9位:オーストラリア
10位:スイス

顔ぶれは先進国の中でもそれほど派手な感じではなく落ち着いていて高所得で社会福祉がしっかりしてそうな国々という印象である。あえてG7構成国を主要国と言うなら唯一カナダがトップ10に入っているのみ。

逆に独裁度の高い順に10カ国は以下の通り。

ちなみに「独裁主義体制」に分類されているのは54カ国だ。

167位:朝鮮民主主義人民共和国
166位:コンゴ民主共和国
165位:中央アフリカ共和国
164位:シリア
163位:チャド
162位:トルクメニスタン
161位:赤道ギニア
160位:タジキスタン
159位:サウジアラビア
158位:イエメン

言い方は悪いが政治がひどく腐敗していて国富を少数の幹部が独占しているか、軍が幅を利かせている、あるいは現在も内戦中という印象である。ちなみに日本は24位で「欠陥のある民主主義」グループの上から2番目。

他の主だった国・地域は、

13位:ドイツ (完全民主主義)
14位:イギリス (完全民主主義)
20位:フランス (完全民主主義)
23位:韓国 (欠陥のある民主主義)
25位:アメリカ (欠陥のある民主主義)
31位:台湾 (欠陥のある民主主義)
35位:イタリア (欠陥のある民主主義)
40位:南アフリカ共和国 (欠陥のある民主主義)
51位:インド (欠陥のある民主主義)
54位:フィリピン (欠陥のある民主主義)
52位:ブラジル (欠陥のある民主主義)
75位:香港 (欠陥のある民主主義)
75位:シンガポール (欠陥のある民主主義)
134位:ロシア (独裁主義体制)
153位:中国 (独裁主義体制)

[出典:Democracy Index 2019 The Economist Intelligence Unit Limited]

歴史を覆せるか?

独裁国家と聞いてイメージするのはリーダーや議員を自分たちで選ぶことができない、言論の自由を含む様々な自由が制限されている、マスコミやメディアが管理されている、反体制活動を弾圧すると言ったところだろうか。民主化度の高い国はその逆で自由があり、情報の透明性が高く、言いたいことを言っても抑えつけられることは少ない、となる。

独裁国家のランキングを俯瞰してみると独裁体制は国全体の発展に良い影響があるとは思えない。過去の歴史を見ても帝政ローマ、ナポレオン、ナチスドイツ、ソビエト連邦、かつて独裁体制だった大国の末路は決して良いものではない。

さて現在。国民が、反対勢力がそれぞれ自分の意見や主張を自由に言えるが故になかなか前に進みにくい現実も民主主義体制にはある。その中において反対意見を抑えてトップダウンで一直線に進んで行っているように見える中国。歴史は繰り返すのか、それとも新たな歴史を拓くのか?そんな大きな勝負を観察できるおもしろい時代に生きている気がする。

0
2011年の発行開始以来毎週配信されているBorderless Group代表玉利将彦のメールマガジン

メール講座【国境なき投資戦略】

* 入力必須