2023年1月4日大発会の日経平均株価は終値で25,716.86円、2022年年初1月4日終値は29,361.79円だったので2022年は年間で12.5%ほど下落したことになる。
30,600円台のバブル崩壊後の最高値をつけたのは2021年9月だったのでもう一年半前のことだ。その後2022年の初め頃に25,000円台に下落してから、それを下限にした29,000円までのレンジ相場であった。
米国市場
NYダウは2022年年初の36,799.65から2023年初日終値33,136.37とこちらは約10%の下落。ナスダックは2022年年初の15,832.8から2023年初日終値10,386.98とこちらは35%と大幅に下落した。
2022年の米国は「利上げの年」だった。FRB(連邦準備制度理事会)は8%以上に達したインフレを沈静化させるために4回連続の0.75%引き上げを含む7回の利上げをおこない2022年初のゼロ金利状態から現在は4.25%にまで上昇。株式市場から資金が流出して債券や預金に向かうのはある意味当然の帰結であり、その影響はGAFAMなどの業績の悪化したIT企業を多く含むナスダックにおいてより顕著に出た。
中国・香港市場
上海総合は2022年年初の3,614.21から2023年初は3,116.51と約14%下落。香港ハンセン指数は2022年年初の23,274.75から2023年初は20,145.29と年間を通して13.5%の下落。ゼロコロナ政策を掲げて、ある意味経済活動を犠牲にした厳しいロックダウンをおこなってきた中国も大きな下落となった。香港は2021年〜2022年間にも20%ぐらいの下落した状態からのスタートだったのでこの2年間でハンセン指数は30%以上も毀損してしまったことになる。
欧州市場
ドイツのDAXは2022年年初の16,020.73から2023年初は14069.26への13%の下落。英国のFTSE100は2022年年初の7,505.15、2023年初の7,554.1とほぼ同水準。フランスCAC40は2022年年初の7217.22から2023年初6594.57へと約9%の下落。欧州もアメリカ同様激しいインフレに見舞われており、2022年は盛んに利上げが行われた。
イギリスの中郷銀行であるイングランド銀行(BOE)は9回連続の利上げに踏み切っており2023年1月現在政策金利は3.5%、6月にゼロ金利政策を脱した欧州中央銀行(ECB)の政策金利は2.5%である。英国は主要国の中でもほぼ唯一2022年と2023年の年初比でわずかに上昇を記録している一方でアメリカをも上回る10%程度の激しいインフレにも見舞われている。英ポンドの為替も歴史的な低水準にあるのでそれが平均株価の値が下がらない原因であるのかもしれない。
新興国市場
新興国市場ではインドのSENSEXは2022年年初の59,183.22から2023年初は61,167.79へ3%の上昇。一方でブラジル・ボベスパ指数は2022年年初の103,922から2023年初は106376へ2%の上昇。ロシアの迷走でBRICsと呼ばれた時代ももはや懐かしいものとなってしまった感があるが、成長余地の大きな新興国がかろうじてプラス圏にとどまったことになる。
資産インフレ
全体的には2022年は株式市場にとって苦戦を強いられた1年になったのは間違いない。しかし、米国の利上げ幅4.25%に対し株式市場の下落は10%、欧州の利上げ幅2.5%に対し株式市場の下落は9%〜13%、英国の利上げ幅3.25%に対し株式市場はわずかに上昇。利上げの度合いに対して株式市場の下げ幅は大きくないと感じるのは私だけだろうか?通貨価値が下がり株式をはじめとする金融資産の表示価格が相対的に大きくなる資産インフレも相当進行しているのではないかと感じる。
こんなときに採れる方策は個人の環境によって多種多様だが、一方で絶対に避けるべき行動は明白だ。それは低金利の通貨で預金を続けることである。