海外には日本のように公的年金がない国も少なくない。そうした国に住んでいる人が年金代わりに利用しているのが民間企業が運営している長期積立ファンド。
長期積立ファンドという商品
プラットフォームに用意された様々なファンド(投資信託)の中から自分の運用方針に合致したものを選んでポートフォリオを作り、毎月少額の資金を積み立てるように投じる。そして世界の情勢や市況、個々のファンドのパフォーマンスをチェックし、時にポートフォリオの変更(スイッチング)をしながら10年、20年単位で老後資金を形成してゆく。
従来はこうしたプラスマイナスのあるファンドラップ型の商品が多かったが、最近では米国株価指数のインデックスに連動した元本保証型の商品も出てきている。元本保証があるだけに資産増大の速度や規模はファンドラップ型のほどではないがダウンサイドのリスクを絶対に避けたいという層には安心なプランだと言える。
元本保証型の長期積立ファンド
この元本保証型のプランは本来15年積立のタイプしかなかったが、この6月から10年積立プランと20年積立プランが新たに加わった。満期時返戻金額の保証額は10年プランが元本の100%、15年プランが140%、20年プランが160%となっている。なお、積立の途中で期せずして資金が必要になった場合には継続中のプランから出金もできるという柔軟性も備えているが、積立を休止したり途中引き出しをした場合はこれらの元本保証はなくなる。
運用期間中のパフォーマンスが保証利回りを上回った場合はプラスアルファのリターンが見込めるが下回った場合の平均年利回りは4%強となる。(10年プランは0%)このプラン一本で老後資金を準備するというよりは他でおこなっているメインの運用の他に補完するような形で利用するのが理想かもしれない。
各プランを月々USD1,000の積立で運用した場合の満期返戻金のシミュレーションは以下の通り。
10年定期拠出プラン
積立プラン:USD1,000/月
積立年数:10年
総積立額:USD120,000
満期時の最低保証:元本の100%
年平均利回り4%で運用できた場合の満期返戻金:USD130,036
年平均利回り7%で運用できた場合の満期返戻金:USD149,777
15年定期拠出プラン
積立プラン:USD1,000/月
積立年数:15年
総積立額:USD180,000
満期時の最低保証:元本の140%
年平均利回り4%で運用できた場合の満期返戻金:USD252,000
年平均利回り7%で運用できた場合の満期返戻金:USD271,543
20年定期拠出プラン
積立プラン:USD500/月
積立年数:20年
総積立額:USD240,000
満期時の最低保証:元本の160%
年平均利回り4%で運用できた場合の満期返戻金:USD384,000
年平均利回り7%で運用できた場合の満期返戻金:USD442,290