先ごろサンライフ香港より新たに販売開始された貯蓄商品「サンジョイ(Sun Joy)」と「サンギフト(Sun Gift)」商品の運用方針は昨年デビューした「ステラ(Stellar)」と同じであり、この3商品は同系統の商品としてひとつのグループとしてくくって良い。
違いが小さいこれら3商品だが、強いて言えばサンジョイとサンギフトは支払い期間が2年と5年の2パターンなのに対して、ステラは2年、6年、12年、18年の支払い期間の選択肢がある。しかしこうした貯蓄性保険の多くは5年以下の短期、あるいは全期前納という実質一括払いで契約されていることを考えると些細な差と言えるだろう。
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サンジョイ、サンギフト、ステラ、どれを選ぶか?
そしてサンジョイとサンギフトには被保険者が18から65歳までの間に不慮の事故により6ヶ月以上のほぼ寝たきりでの要介護状態(入浴、着替え、トイレ、食事、ベッドや椅子への移動が自分でできなくなる等)になった場合には、基準額の1000%(最大US1.25Mドル=約1.6億円)の追加保障が受け取れる事故介護保障(Accidental Caring Plus)が受け取れるという保障が付いているがステラにはこれがないということだろう。
これは万一そうなった場合には大変助かる保障だが、発生する確率は極めて低いという点でそれほど重大な違いとも言えない。そんな中でこの3商品の内、どれを選ぶか?
まず昨年デビューの「ステラ(Stellar)」は選択肢から外しても良いかと思う。というのも、同様の商品が一年と経たずに発売された背景には昨年発生したアメリカの高インフレ率に起因する米ドルの相次ぐ利上げに伴う急激な変化があるはずだ。目まぐるしく変化する経済環境の中で商品の運用手法やシミュレーションも随時変化に対応せざるを得ない。
通常は同じ商品のままそれに対応するところだが、今回は新商品の発売に踏み切った。新商品には時代の変化に則してアップデートされていると考えられるので新しい商品を選択するのがベターだ。
実際、シミュレーションを比較してもステラはこの2商品の中間をゆく感じなので面白みに欠ける。2023年のサンライフの貯蓄商品選びは「サンジョイ(Sun Joy)」と「サンギフト(Sun Gift)」の内どちらを選ぶかということになると思うが、それはシミュレーションを比較して自分のライフスタイルに合ったものを選ぶと良い。
サンジョイ(Sun Joy)とサンギフト(Sun Gift)の運用シミュレーション比較
加入時年齢:40歳
保険料支払期間:2年払い
支払い方法:年払い
年間投資額:USD50,000/年
合計投資額:USD100,000
想定元本(保険金額):USD100,000
[解約返戻金総額シミュレーションの比較]
[サンジョイ(Sun Joy)] [サンギフト(Sun Gift)]
10年後解約返戻金(50歳時): USD140,088 USD124,299
20年後解約返戻金(60歳時): USD279,417 USD260,512
25年後解約返戻金(65歳時): USD393,649 USD346,064
30年後解約返戻金(70歳時): USD550,900 USD557,404
40年後解約返戻金(80歳時): USD1,063,125 USD1,153,541
50年後解約返戻金(90歳時): USD2,156,046 USD2,383,883
60年後解約返戻金(100歳時): USD4,396,647 USD5,005,825
80年後解約返戻金(120歳時): USD16,700,326 USD21,138,445
※いずれも非確定部分を含む概算
こうしてシミュレーション上の経過年数ごとの解約返戻金額を比較してみるとこの2商品の性質の違いは以外にシンプル。サンジョイは契約開始から25年目ぐらいまでの解約返戻金の伸びが早いが30年目ではサンギフトが凌駕しており、その後はどんどんサンギフトがサンジョイを引き離してゆく。
25年と言えば、ある程度投資資金も貯まって運用を考える40歳ぐらいの人が60代半ばになる年数。すなわち運用の成果を老後の生活資金など自分のために供することが明確であればサンジョイが選択肢となり、必ずしも自分で使う必要のない完全なる余裕資金を名義変更機能を利用して子々孫々に継承することを想定しているのであればサンギフトということになる。
サンジョイ(Sun Joy)とサンギフト(Sun Gift)の概要
[被保険者の年齢(加入時)]0~80歳(5年払いの場合は0~75歳)
[支払い期間]一括、2年、5年(※一括払いは2年分を前納する形)
[途中引き出し・出金]リバーショナリーボーナスは途中引き出し可
[投資金の支払い方法]
・香港の銀行から引き落とし
・銀行送金
・クレジットカード
[運用資産組入比率]
債券:25%-80%
株式等:20%-75%
[ボーナス]
リバーショナリーボーナス、ターミナルボーナス
[死亡保障]
万一被保険者がプラン運用途中で亡くなってしまった場合、解約返戻金と同額が死亡保障という形で遺族・受取人に支払われることになる。
[無料で付帯する特約]
緊急医療支援サービス(Worldwide Emergency Assistance)
海外・国内における病院への緊急搬送、HKD40,000までの入院前払い金の支払い、緊急援助や本国送還などと含むサービス。
[商品の特徴]
・被保険者が120歳まで契約が続く長期運用商品
・被保険者の名義変更が無制限に行える
・証券分割が可能
・万一被保険者が要介護状態になった場合に手厚い保障がある
・損益分岐点は6年(非確定部分を含む概算)
・確定返戻金が投資額と同額になるのは13年目