「ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)」
投資対象の値動きに関わらず毎月一定金額投じて購入を続けてゆく投資手法である。投資金額が一定であるため株式や投資信託(ファンド)などの投資対象の価格が上昇すれば購入できる株数やユニット数がが少なくなり、価格が下落すればそれが多くなる。例えばこれを20年続けるとその投資対象を20年間の平均価格で購入したのと同じことになる。そして売却するときに20年間の平均価格を上回っていれば利益が出る、逆に平均を下回っていれば損失が出る。
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ドルコスト平均法のメリット
一般的に価格が平均から大きく乖離することは極めて少ないので安定した運用が可能になるのが最大のメリット。ドルコスト平均法と逆の投資手法はいずれかのタイミングで一気に投資することである。
この場合投資価格と現在価格の乖離は大きくなる可能性が高いので大きな利益を掴むチャンスがある反面、大きな損失につながるリスクが生じるのである。従ってこの投資手法には参入するタイミングを間違えないように知識を蓄え充分に分析して「その時」を見極める力が必須だ。
一方ドルコスト平均法はいつはじめても良い。参入障壁が低いというのも重要なメリットだ。
2018年12月の世界の株式市場
株価の下落が続いている。2018年12月21日の日経平均株価の終値は20,166.19円。9月23日に今年の最高値(終値ベース)である24,120.04円を記録してからわずか3ヶ月で21%下落したことになる。節目を割り込む寸前まで来ており、しばらく2万円台が当たり前のようになっていた
日本の株式市場は阿鼻叫喚という雰囲気がある。
しかし実際20,000円を上回っていたのは昨年2017年9月以降、期間にすれば1年ちょっとである。それ以前は30年近く前のバブル崩壊以降1万円台というのが普通であり、かろうじて2万円にタッチしたのが数度あるほどだ。ちなみにリーマンショック後の10年前は8,000円台である。今年の日経平均の高値は1991年以来の水準であり、現時点でもバブル後の平均を大きく上回っていると言える。
他の主要株式市場の今年の指数を見てみると、
米国のダウが10月3日の最高値26,828.39から12月20日の22859.6まで21%の下落。
上海総合指数は6月12日の最高値3,559.46から12月21日の2,516.25まで29.5%の下落
香港ハンセン指数は1月26日の最高値33.154.12から12月21日の25,753.42まで34.7%の下落
ドイツのDAXは5月22日の最高値13,169.92から12月20日の10,538.03まで25.10%の下落
英国のFTSE100は5月22日の最高値7,877.5から12月20日の6,711.93まで18.67%の下落
フランスのCAC40は5月22日の最高値5,640.1から12月20日の4,692.45まで20.35%の下落
インドのSENSEXは8月26日の最高値38,896.63から12月21日の35,742.07まで12.08%の下落
ブラジルのボベスパ指数は12月6日の最高値89,820から12月20日の85,269.3まで10.50%の下落
と確かにどこも結構な下がりっぷりである。
時間軸を広げて株式市場を俯瞰する
ところがここ数ヶ月の下落にばかりフォーカスしていると時として現在の正確な水準を見失いがちになるものである。
果たして今はそんなに悲惨な状態なのだろうか?
以下はそれぞれ過去3ヶ月、過去1年、過去5年、過去20年で表示した米国ダウ工業株価指数のチャートである。
1. 過去3ヶ月のダウ工業株価指数のチャート
文字通りの暴落である。
3ヶ月前に米国株を買い持ちしていたらエラいことになっていた。
2. 過去1年のダウ工業株価指数のチャート
上がったり下がったりしながら今は最低水準。
1年前に米国株を買い持ちしていたらある程度のマイナスに苦しんでいることだろう。
3. 過去5年のダウ工業株価指数のチャート
最後に少し下がっているけど基本右肩上がりだ。
5年前に買った米国株はかなり含み益があるはずだ。
4. 過去20年のダウ工業株価指数のチャート
かなり右肩上がりで最後の下落はさらに小さく見える。
20年前は7,000台だったのか、と今の3分の1の水準だったことなどこうしてチャートを見直さなければすっかり忘れている。
20年前に米国株を買い持ちしていれば1.とは逆の意味でエラいことになっている。
上記の主要国のうち日本、中国、フランス以外はすべて2018年に過去最高値を記録している。株式指数もだいたい米国の株式市場の動向と同じである。
科学技術の高度化の時代に重要性を帯びるドルコスト平均法
確かに最近は短期間でで大きな下落や上昇が起こる頻度が高くなっている。今年もダウで過去最大とか同クラスの下げ幅があった一方で同様に歴史的レベルで再び上昇して戻ったりした。
人工知能(AI)などの先端科学技術を駆使した機関投資家やヘッジファンドが使っている自動売買システムの影響があるのは間違いないだろう。そんな時代背景は我々一般庶民にとって一気に投資するリスクを高め、相対的にドルコスト平均法の優位性を際立たせるのである。