タイのビジネスパートナーから一枚の画像が送られてきた。
カンボジア・シアヌークビルの写真である。思わず「CGか!」と突っ込んでしまいそうだが。僕が現地を訪れたのは2018年2月、そのときは確かに左の状態だった。まだ未舗装の道路も多かったが海沿いのビーチには主に欧米人が、カジノが軒を並べる市街地には中国からと思われる観光客がごった返していた。
ちょうど中国の正月である春節の時期の特に観光客の多い時期だったのでホテルの予約が難しく、我々は急造のプレハブのような平屋の建物に泊まった。日本人の間ではまだあまり馴染みがないようだがカンボジア唯一のビーチリゾートであるシアヌークビルは今建設ラッシュである。もちろんそのほとんどがホテルだ。
この画像を見て思い出したのが以下の2枚の画像。
上海、浦東地区陸家嘴の1990年初頭と現在の姿である。過去30年の間に世界で最も姿を変えた土地のひとつであることは間違いあるまい。1989年に天安門事件が起こり(今年の6月4日がちょうど30周年だった)上の画像の頃の中国はおそらく世界銀行からの融資を止められ、各国から外交制裁を受けて苦境に立っていた頃だ。
僕が初めて上海へ行ったのは1995年なので上の画像より少し後で、東方明珠電視塔だけがポツンと建っていた。そこからあとはまさにタケノコが伸びるように毎年高層ビルが建設されていった。常にあちらこちらで工事中、埃に煙っている状態。まだ前職で上海勤務の頃にビルの中では3番目に高い金茂大厦(ジンマオタワー)が完成し、その10年後ぐらいに上海環球金融中心が建ち、3年前の2016年に上海中心(世界で2番目の高さ)が完成した。この2つの画像の間にある時間が何十万人というの不動産投資による成功者を生み出したのはそれほど難しい想像ではない。
こういうことが起こる場所は数十年単位で世界のどこかに発生している。1960年〜1990年ぐらいまでは我々の日本もそうだったと言えるだろう。土地神話に支えられた時代だ。変化が起こっているまさにそのときはいつも不安がある。”本当にこのまま順調に成長してくれるのかどうか?”上海も常にその不安とは隣り合わせだった。おそらく50年前の日本でだってその時に投資をした人に将来の成長に対する100%の確信があったわけではなかっただろう。
将来はいつも不透明だ。結果はずっとあとになってからでないとわからない。
何もしないで傍観者を決め込むというのもひとつの方法だろう。投資をしなければ資金を大きく失うこともない、手持ちの金額もいつも自分のコントロール範囲内である。だが一気に人生が変わる可能性があるのはいつも「投じる」という行動を採る人である。
以下の物件、現在どのくらい残っているのかはわからないがこの時代に世界の中のその場所に巡ってきた機会であることは間違いあるまい。