7月28日、北朝鮮が大陸間弾道弾(ICBM)と思しきミサイルを発射、北海道奥尻島の150km沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

これに対しアメリカのトランプ大統領は中国に対して、「中国には非常に失望した」「ただ対話をするだけで北朝鮮に対して何もしていない」「これ以上この状況を許容することはできない。中国はこの問題を簡単に解決できるのに」とその姿勢を非難した。しかしそもそもそんなことを本気で中国に期待しているとすればそれこそおかしなことだ。

以下は
”もし自分が将来の地球において自国の覇権を広げる野望を持った中国の指導者だったら。。”
という観点での勝手な考えである。憶測を述べて申し訳ないが本当のことはわからないので勝手に予想するしかない。今の東アジアは普通にかなり危険な状況にあるので直接の関係者である日本人の我々は個々が将来この地域に起こることを想定しておくことが必要だと思う。いずれにしろ、それなりの話として受け取ってほしい。

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北朝鮮の核や弾道ミサイルの開発を中国としてあえて止めるつもりはない。北朝鮮がすでに日本、韓国、中国、ロシアなどの近隣諸国に到達できるミサイルと核を持っているのは動かしようのない事実。確かに石油のパイプラインを止めるなどすれば北朝鮮を干上がらせることは中国には可能かもしれない。

だけど、そんなことをすれば北朝鮮が破れかぶれになった自分たちを攻撃してくる可能性がある。想定されるリスクは大きいのだ。仮に北朝鮮が暴発したのちに現在の体制が崩壊したとしても米国の力を背景とした韓国主導で成った統一国家と国境を接するのも避けたい。

北朝鮮に一番大きなダメージを与えられるのは確かに中国かもしれないが、それをやっても米国を喜ばせるだけで実際中国にとって良いことなどほとんど無いのだ。むしろいっそのことアメリカをも射程に納めるミサイルを北朝鮮に持ってもらいたい。そうなればアメリカも自分たちと同じような条件下に置かれることになるからだ。

世界最大の軍事力を持ち、ひと昔前まで敵対勢力は長距離核ミサイルを持たないイランとテロ組織ぐらいだったアメリカに北朝鮮辺りが新たに脅威を与えることができるようになるのは悪くない。これはおそらくロシアも望んでいるはず。自分たちがアメリカに対してあからさまな軍備増強をすれば(やってるけど)カドが立つが、アメリカの要求をのらりくらりとかわして北朝鮮を野放しにしておくくらいならそれほど敵対的とも映るまい。

北朝鮮は日本や韓国やアメリカとは断絶しているが、それでも160カ国以上と国交があるのだ。度重なる発射実験はすでに武器輸出の良い宣伝になっているに違いないが今回の北朝鮮のミサイルはアメリカ本土に届くレベルのものだった可能性もある。

いよいよアメリカの軍事行動も視野に入るかもしれない。もし開戦となったらこの近辺での戦争は1950年代の朝鮮戦争以来か。あの時は国共内戦後に建国したばかり。アメリカの北上を食い止めるために義勇軍を派遣して大きな犠牲も出した。疲弊した国内を立て直すのに手一杯で海外への覇権拡大など夢のまた夢だった。

その後も日中戦争で戦った日本や朝貢国だった韓国が先に経済成長を遂げてどんどん豊かになってゆくのを見て悔しかったなあ。だが1990年以降ようやく自分たちにも運が回ってきた。今は中国も世界の経済大国、さらには軍事大国も目指すところまで漕ぎつけている。逆にアメリカ政府は弱腰のオバマから、半年経っても政府のメンバーさえ決まらないトランプというこれまでにない体たらく状態。もしこの近辺が戦乱状態になるようなことがあれば影響力強化のためにこの機会は逃せない。慎重かつ大胆に。当面の目標である将来の太平洋の覇権をアメリカと分け合うために。

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こんなときに日本の国会はやれ日報だ、やれ加計学園だとやっている。。日本人は国の動きとは別に個人の生き残り方を真剣に考えなければならない。

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