2011年にフィリピン・マクタン島でコンドミニアムを1部屋購入した。リーマンショックから3年。米国が経済の立て直しを目指して大規模な金融緩和をおこなっている最中であり、溢れ出したドルが後押ししたのかフィリピン、マレーシア、タイなどで東南アジアでの不動産開発が盛んで日本では関連のセミナーが数多く開催されていた。
香港を拠点にしていた私も日本へ行ったタイミングで何度かそういうセミナーに参加して話を聴いた。当時自分が長く住んでいた上海で不動産投資はおこなっていたものの旅行や出張で幾度か訪れただけにとどまる東南アジアの不動産が将来どうなるかは予測がつかなかったが検証の意味も込めて1軒購入したのである。
物件は着工前に売りに出された。いわゆるオフ・ザ・プランあるいはプレビルドと呼ばれる形式のものである。完成後に購入するより割安で入手できるというメリットがある反面、きちんとスペック通りのものができあがるかどうかが不確かであるというリスクも背負う。一般的に物件価格の10〜20%の頭金を支払い、完成時に残額を一括返済する。あるいは頭金支払い後、完成までの間に分割払いで徐々に支払いを進め、完成時に支払う残額を少なくできる形式のものもある。
僕が購入したのはフィリピンの大手デベロッパーであるメガワールドの開発物件「8ニュータウンブルバード(8 Newtown BLVD)」マニラに次ぐフィリピン第二の都市セブシティのあるセブ島から2本の橋でつながっているマクタン島のリゾート地に建設中のマクタンニュータウンの中にある。世界のリゾートホテルの中でも名高いマクタンシャングリラリゾートから至近距離にある。タイやマレーシア等々の様々な物件からここを選んだのは以前にこのシャングリラリゾートで休暇を過ごしたことがあり、唯一周辺地理が明確にイメージできたからだ。
建物の構成は5Fから15Fまでが居住スペース、つまりコンドミニアム。1Fから4Fまではショッピングモールなどが入るスペースになっている。6Fから15Fまでは各フロアに14ユニットの1ベッドルーム(6ユニット)及びスタジオタイプ(8ユニット)の部屋が配置されている。そのうち一部の隣接している部屋はひとつの部屋に合体させることが可能で、そういう部屋を2ユニット購入し2ベッドルームのスペースを備えたコンバインルームを作ることもできる。
面積は1ベッドルームで49.6㎡(使用面積:46.4㎡)から51.1㎡(使用面積:48.3㎡)、スタジオで38.7㎡(使用面積:36.0㎡)から40.3㎡(使用面積:37.5㎡)コンバインにすると79.0㎡(使用面積:73.5㎡)から99.2㎡(使用面積:92.8㎡)の2ベッドルームができあがる。こうしたタワー式の建物が4棟あり、これらが5F以下の部分で繋がっている。
ちなみに購入申し込みの日、たまたまシドニーからシンガポール、そして香港へとほぼ一日をかけてのフライトと重なっていた。香港に到着してから申し込めば良いとタカをくくっていたら売り出された100部屋以上が即日完売の状態で自分の買える物件が残っていなかった。それほどに当時の東南アジア不動産の投資熱は高かったのである。
その後追加でジムやプールなどのクラブハウスと同じ5Fにあるフロアの居住スペースがが売りに出されたので、それを申し込む運びとなった。面積は39.60㎡のスタジオタイプで価格は376万ペソ。(2017年7月現在の為替換算で約850万円)内装及びベッド、ソファーなどの家具、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電付きで引き渡しという条件。
支払い方法には、
1.一括払い
2.頭金20%+月々の分割払い+引き渡し時に残額を支払い
3.頭金なしで月々の分割払い+引き渡し時に残額を支払い
という3種類のオプションがあり、僕はそのうちの2.を選択した。着工は2011年で完成は2014年末の予定だった。