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ベトナムでの米朝首脳会談の決裂。

米中貿易摩擦による関税の引き上げと報復関税の応酬。

香港での大規模デモの勃発。

日本における相次ぐ台風被害。

オーストラリアやブラジルでの大規模森林火災。

イランをめぐる中東情勢の緊迫。

英国総選挙でジョンソン首相率いる保守党が大勝していよいよブレグジットが実現。

2019年の悪材料

2019年は投資家心理に悪影響を与えそうな出来事が頻発したが実際世界株式市場はどうだったのか?昨年一年の各国の平均株価・株式指数の動きを数字で捉えてみる。

2019年各国株式市場を振り返る

2019年12月29日大納会の日経平均株価の終値は23,656.62円。年初の19,655.13円から約21%の上昇を記録した。ちなみに大納会の終値としては29年ぶりの高値とのこと。要するにバブル崩壊以来の水準で引けたということだ。

米国のダウは年初の23058.61から年末には28634.88と約32%の上昇。年末の終値としては史上最高値であり、2020年が明けてからも史上最高値を更新している。FRBが昨年の途中から3度の利下げをおこなった影響も大きい。米国の株式市場は絶好調だと言って良いだろう。

上海総合指数は年初の2,497.88から年末3,050.12へと約18%の上昇。米中貿易戦争で苦しんでいるイメージが強いがマーケットは意外に堅調であることがわかる。

香港ハンセン指数は年初の25,824.44から年末28,189.75へと約11%の上昇。2019年、香港で発生したデモはおそらく世界で最も注目されたニュースのひとつだろう。香港への渡航者は中国の旅客を中心に激減し、小売業も大きな打撃を被った。
しかし株式市場は何もなかった年初と比べても10%以上も上げてきている。これも意外に感じる人は少なくないのではないだろうか。

ドイツのDAXは年初の10,477.77から年末13,249.01へと約24%の上昇。英国のFTSE100は年初の6,728.1から年末7,542.4へと約11%の上昇。フランスのCAC40は年初の4,642.18から年末5,978.06へと約28%の上昇。ブレグジットに揺れる欧州は苦戦しているのでは、、と思いきやこちらも各国好調。ドイツは史上最高値を更新中だ。英国の過去の高値は2017年の7,877.5だがその数字が見えてきていると言っても良い状態だ。ブレグジットは英国に年10兆円規模の経済損失を及ぼすとか言われているが本当なのだろうか?

インドのSENSEXは年初の36,198.13から年末41,253.74へと約19%の上昇。ブラジルのボベスパ指数は年初の87,887から年末115,964へと約47%の上昇。これらBRICSの一角を占める大型の新興国も史上最高値圏である。インド中銀は昨年5回の利下げをおこない、法人税減税などの景気刺激策が功を奏した。ブラジルは政策金利を継続して引き下げていること、極右のボルソナロ政権の行財政改革、税制改革、国有事業の民営化などが好感されて大きく上昇した。

数字によってニュースの裏付けを取る

フェイクニュースという言葉が数年前から流行っているが、そこまで言わなくても言葉によるニュースは何かしら発信側の意図が加わったりする。またニュースのコメンテーターや解説者と言われるような人たちも番組を盛り上げるためか、自分たちのポジションを守ることを優先しているためか無理をして視聴者の興味を引くようなことを言いがち。つまり人を通じて聞くニュースには疑う気持ちも必要だ。

しかしこうした数字はおそらく嘘をつかない、というか嘘がつけない。世の中の正確な動きを知るためにはいろいろな話を聞き、総合的に判断するリテラシーとともにこうしてマーケットに照会してみるのがとても大切なことである。

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