Sorry, this entry is only available in 日本語. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

 

「ETF(上場投資信託)」

読んで字の通り、株式市場に上場されている投資信託(ファンド)のこと。

個別株の価格はその企業の業績によって比較的激しい上昇と下落が発生する、ときには企業が倒産して紙切れと化することもある。そのリスクは避けたいが株式投資はやりたい、というニーズに応えるのが多くの投資家から集めた資金をファンドマネージャーという取引のプロが複数銘柄に投資してその収益を分配する投資信託。投資信託は19世紀の中頃に発祥し、その後証券会社の店頭などで販売されていたが、1970年代後半に証券取引所に上場して株式取引と同様に成り行きや指値注文などでタイムリーに取引できるETFが誕生した。

新型コロナウィルス流行時にはじめるETF投資

新型コロナウィルスの流行によってこの記事を執筆している時点では世界で約160万人が感染し、約9万5,000人の死者が発生している。

この影響により世界各地で経済が麻痺状態になり2020年2月下旬頃から各国の株価が暴落し、おしなべて30%以上の時価総額が失われた。企業の倒産や失業者の大量発生に危機感を抱いた各国政府がそれぞれ未曾有の金額の財政出動を掲げた経済対策を打ち出したこともあり、ここへ来て反発しているもののまだ2ヶ月前よりもかなり低い水準にある。

「ここで下がった株に投資をしておきたい」と考えるのは合理的な感覚だ。

特にこれまで投資経験はないがそろそろ始めようと考えていた人はこの暴落で傷を負っていないはずなので、むしろ幸運な環境の中にあるといっても過言ではない。しかしそんな初心者ならではの悩みもある。どの銘柄に投資すれば良いかわからない、、と、突然訪れた好機を目の前に立ち尽くす。そんなときはとりあえず株式のETFに投資しておくのが良い方法かもしれない。

ETFの基礎知識

ただそれにしてもどのETFに投資すれば良いのかがわからないという人ももちろん少なくないはず。ざっくりどんな感じで選べば良いか?

まず日本人の目の前には大きく分けて2種類の株式ETFがある。

「国内ETF」と「海外ETF」

国内ETFは東京証券取引所等国内の取引所に上場しているETF、これは国内の証券会社に口座を持っていればすぐに購入可能である。海外ETFは米国や英国、香港、シンガポールなど海外の証券取引所に上場されているETFでこちらを取引する場合には基本的に海外の証券会社の口座で取引することになる。(一部の海外ETFには日本の証券口座で買えるものもある)

ETFの出来高(流動性)

2020年現在国内ETFは約200銘柄、海外ETFは2000銘柄以上あるとされている。ETFを取引するときに注意すべき重要なポイントに「出来高の大きさ(=流動性の高さ)」がある。出来高は売買の合計数量のこと。これは個別株の取引でも同じことが言えるが出来高が大きいということはそれだけ活発に取引されているということであり、売りたい人や買いたい人がたくさんいる状態である。そういう株式は適度な価格で買い注文や売り注文を出すとすぐに約定する。

つまり買いたいときにいつでも買うことができ、売りたいときにはすぐに売れる状態にある。出来高の大きい銘柄は売買の流れがスムーズなので「流動性が高い」と言う。逆に出来高が小さい、つまり取引したい人が少ない場合はすぐに売買が成立しないということが起こり得る。例えば極端な話、100円で買いたい人と120円で売りたい人の2人しかいない場合、お互いの条件に固執すれば売買は成立しない。それでも売買したければ110円なら買っても良い、110円なら売っても良いという風にお互いの妥協点に達しなければならない。それにはある程度の時間がかかるので売買の流れが滞りがちで「流動性が低い」のである。

取引したい人の人数が増えると105円で売っても良い人とか、115円で買っても良い人とか、あるいは「いくらでも良いからすぐに売買を成立させたい」という人も出てくるから妥協点を見つけやすくなり流動性が高まるのである。

ETFの種類

世界各国・各地域の株式指数に連動したETFには日本で作られ日本の証券取引所に上場された国内ETFと海外で組成され海外の証券取引所に上場された海外ETFがある。国内ETFの中には日本国内の株式を投資したETFと海外の株式に投資したETFがある。また海外ETFの中には日本の証券取引所に上場されている銘柄もある。

少しややこしいのでまずは交通整理をしたい。

A.日本の株式を対象にした国内ETF
B.海外の株式に対象にした国内ETF
C.日本の株式に対象にした海外ETF
D.海外の株式に対象にした海外ETF
E.海外の証券取引所と日本の証券取引所の両方に上場されているETF

まずAとB、そしてEの国内ETFはすべて以下のリストに載っている。

Yahoo!ファイナンス
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/etf/list

2020年4月では全部で246銘柄、1銘柄だけ名古屋証券取引所である他は東京証券取引所に上場されている。CとD(Eを含む)は以下のサイトによくまとめられている。

180
https://www.180.co.jp/world_etf_adr/etf/map.htm

国内ETFと海外ETFの現実

国内ETFは日本国内に居住している人にとっては日本円でそのまま取引できること、日本の取引時間に合わせて取引できる点で利便性は高いと言える。一方で国内ETFは日経平均に関連したETF等人気の高い一部の銘柄には取引が集中して出来高が高くなっているが海外株式に投資したETFは出来高がかなり低い傾向にある。

例えば、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場されていて世界最大の純資産残高を誇る米国S&P500指数に連動したETF「SPDR S&P 500 ETF(SPY)」は東京証券取引所にも「SPDR S&P500 ETF(1557)」として上場されているが直近の出来高を比較すると以下の通りである。

2020年4月10日:SPDR S&P 500 ETF(SPY):190,282,705株
2020年4月13日:SPDR S&P 500 ETF(1557):18,300株

南アフリカの株式指数に連動する国内ETF「NEXTF南アフリカ (1323)」とNYSEに上場している海外ETF「ISHARES MSCI SOUTH AFRICA ET (EZA)」を比較してみると、

2020年4月10日:ISHARES MSCI SOUTH AFRICA ET (EZA):854,631株
2020年4月13日:NEXTF南アフリカ (1323):1,600株

その差は大きい。

ちなみに日経平均に関連した国内ETFの出来高は以下の通りかなり大きくなる。

2020年4月13日:NF日経レバレッジETF (1570):11,441,854株
2020年4月13日:日経ダブルインバース(1357):61,617,587株

海外ETFにも日本株式を対象にした銘柄があり、その中で最も人気の高い「ISHARES MSCI JAPAN ETF (EWJ) 」の出来高は以下の通りである。

2020年4月10日:ISHARES MSCI JAPAN ETF (EWJ) :7,021,438株

日本株をテーマにしたETFは国内ETFの出来高の方が多いが、海外ETFでもこれだけの出来高があれば充分と言えるだろう。

世界各国・各地域の株式指数に連動したETFリスト

ETFに限らずスムーズに購入して、スムーズに売却するためには出来高の大きな銘柄を選ぶ必要がある。日本の証券会社では楽天証券のように国内ETFだけでなく海外ETFの売買のできる口座もあるのである程度の海外銘柄は日本からでも取り引きが可能。ただ国内の証券会社の海外ETFの取り扱い銘柄数には制限があるのでより多くの選択肢から売買する銘柄を選びたい場合はBOOM証券など海外の証券会社に口座を持つ必要がある。

以下は世界各国・各地域の株式指数に連動した海外ETFのうち毎日の出来高が500,000株以上ある銘柄のリスト、楽天証券とBOOM証券の取り扱い銘柄の違いも添えてある。

http://zztop.xsrv.jp/etflist.pdf

0
2011年の発行開始以来毎週配信されているBorderless Group代表玉利将彦のメールマガジン

メール講座【国境なき投資戦略】

* 入力必須