ビットコインは4年振りの3度目の半減期を迎えた。
半減期というのはマイニングによって得られる報酬のビットコインが半分になる時期のこと。ブロックチェーンという改ざんが不可能に近い分散型台帳による管理で信用が担保されているビットコイン。取引の記録であるブロックを新たに生成するためにコンピュータによる膨大な計算を要する回答を導き出す必要がある。回答に成功して新しいブロックの生成に成功した者にその作業の報酬として一定量のビットコインが新規発行のうえ、支払われるのである。
ビットコイン半減期
この作業が「マイニング」で作業をおこなう主体が「マイナー」だ。これまでは1ブロック生成する毎に12.5ビットコインが報酬として支払われていた。2020年5月12日以降はその報酬が6.25ビットコインに半減するということになった。
ビットコインは210,000ブロック生成されるごとにマイニングの報酬が半減するようにあらかじめプログラムされている。2009年にビットコインの最初のブロックが生成されてから50ビットコインだったブロック生成の報酬は2012年11月28日に到来した最初の半減期で25ビットコインになった。当時のビットコインの価格は約BTC1=USD12だったので1度目の半減期の直前の報酬を当時の価格で換算すると約USD600だった。2016年7月9日の2度目の半減期で更に半分の12.5ビットコインになった。その直前は約BTC1=USD650だったので報酬額は約USD16,250。そして今回の半減期の直前は約BTC1=USD8,500、報酬額は約USD106,250となっている。
すなわちこれまでは半減期で報酬としてもらえるビットコインの量がが半分になっても、ビットコイン自体の価格が数十倍になっていたのでマイニングをおこなってゆくに足る充分な動機があったと言える。
今回の半減期以後はどうだろうか?ビットコインの価格は以後倍以上になるのだろうか?
ビットコインマイニングのキーワード
ところでビットコインのマイニングには3つの重要なキーワードがある
・ハッシュレート
・生成されるブロックは10分に一つ
・難易度(Difficulty)
ハッシュレートはマイニングをする際の1秒あたりの計算力あるいは採掘速度のことでマイニングをおこなうコンピュータにはすべてその性能に応じたハッシュレートが設定されている。ビットコイン関連の情報で「ハッシュレートが上昇(下落)した」と言う場合、世界でマイニングをおこなっているコンピュータのハッシュレートの合計が増えた(減った)ということを意味する。ハッシュレートが上昇すると全世界のマイニングのための演算能力が高まり、ブロック生成の速度も上がる。
一方でビットコインは生成されるブロックを約10分に一つとすることがルール化されている。これはビットコインの総発行枚数が2,100万枚で半減期を繰り返しながら2140年に最後の一枚が発行されることがプログラムで決められていることに起因する。それを逆算するとブロック生成は10分に一回、つまりビットコインの新規発行によるマイニング報酬の発生は10分毎でなければならない。ハッシュレートの上昇に比例してさくさく計算を完了してどんどんブロックが作られる状態を放置しておけないのだ。
そのバランスを取っているのが難易度(difficulty)の調整である。ハッシュレートが上昇して演算能力が高まっても、8分とか5分とかの短いスパンでブロックが生成されてしまわないように難易度調整によって計算自体を難しくしてとにかく演算には10分程度の時間がかかるようにしている。逆にハッシュレートが下落して計算能力が下がれば計算を易しくする難易度調整をおこなう。
半減期後のビットコインマイニング戦略
半減期による報酬の減少はすでにコストをかけて設備を稼働させているマイナーにとっては生き残りをかけて克服しなければならない課題であることは間違いない。マイナーも事業者である以上、収益改善の基本戦略は運営コストを抑えて、売上を増やすことである。マイナー達はいったいどのようにこの段階を乗り越えてゆくのか?
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