モンゴルの通貨トゥグルグ(MNT)は高金利通貨で有名だ。モンゴルへ行って現地の銀行で口座を開設し、トゥグルグで定期預金を組めば1年定期で14.5%の金利が付く。日本円を100万円持ち込んでトゥグルグに両替して定期預金に入れる、一年後仮にJPY:MNTの為替レートが変わらなければ元本の100万円と表面で14.5万円の利息を手にできる。カンボジアでは米ドルでの定期預金金利が1年物で5%以上になる。
もちろん米ドルも満期のときまでに下落する可能性はあるが、こちらは新興国通貨ではなくれっきとした世界の基軸通貨での預金である。5、6年前は中国本土の人民元定期預金が1年物で3.5%、5年物で5.5%だった。今この金利は下がってしまったがその頃に5年定期預金を組んだ人たちが今満期を迎えて次々にエグジットしている。こちらは結果として高い金利ももちろんだが日本円に戻したときの為替差益も大きく取れている。特にこうした新興国で想定できるリスクは通貨の下落や銀行の破綻、国の規定変更により万一のカントリー・リスクだが通常はこうしてつつがなく投資は完了する。
リスクが高いとは言っても、金融機関や国が破綻する確率は0.001%が10倍になっても0.01%であるようなものだろう。基本はめったに起こらないことなのである。それでも世の中の投資家や敏感に反応し、金利は大きく変動するのである。
先進国で高利回りのものはないか。米ドルやポンドなど徐々に利上げ方向に向かっている主要通貨もあるがまだまだ預金金利は超低空飛行状態。さすがに一般銀行の定期預金では3%、5%というような利回りは見込めない。先進国の商品で高金利を得るためには純粋な預金ではなく、何らか別のものでの運用が入っていたり、金融制度や融資習慣などを利用した派生的な商品になる。例えばニュージーランドでは一般の会社員に比べて個人事業主やフリーランス従事者への融資基準が厳しい。経営者は収入に安定感が乏しいとみなされるのだろう。
このような銀行の融資の基準や習慣が原因でニュージーランドでは事業主が住宅ローンを利用しにくい状況にある。つまり日本と同じような環境がニュージーランドにもあるのだ。事業主だからサラリーマンに比べて収入が低いとは限らない。むしろ何倍もの収入を得ている人は少なくない。だが実際に日本やニュージーランドのような国では事業主への融資には厳しいのである。それにはきちんとした理由があるのかもしれないし、ただ単に不合理な慣例のようなものかもしれない。
いずれにしてもそういう状況であれば事業主はそれなりの資産を持っていても普通銀行から融資を受けにくいので投資銀行やノンバンクなどのローンを利用しなければならない。自然、その借入金利は高くなる。投資銀行やノンバンクは銀行からも資金調達できるので、その資金を利用してそうした人への融資から利ざやを稼ぐことができる。その際、貸し倒れのリスクをヘッジするために融資を受ける人が購入する不動産も担保として入れてもらう。こうして万一の場合の資産保全も万全におこなう。投資銀行は投資家から出資を募ることもできるので集めた資金をこの不動産担保ローンで運用して利益を還元することもできる。これが上で述べた派生的な商品ということになる。
この「不動産担保ローンファンド」は最低投資額NZD250,000(約1,950万円※1)から参加ができる。表面利回りは年利5%である。最低運用期間は1年で、2年目以降は元本と利息の償還を受けるか、元利含めて再投資するかの選択ができる。ニュージーランドドル(NZD)での投資なのでNZD資産の保有、NZDでの利回りを獲得できる。通貨の分散・運用の一環として取り組める商品だ。商品に興味がある場合は投資銀行担当者から個別に説明を受けることも可能である。
※1:NZD1=約JPY78(2017年11月時点)