2022年8月31日現在、ドル円のレートはUSD1=JPY138台で推移している。7月に140円に肉薄してから、一旦は130円台まで10円近く上昇したものの再び下落が進み過去24年来の安値に迫っていることになる。

原因は大規模金融緩和の結果インフレ率が8〜9%という高率で高止まりしている米国経済。そのためFRB(連邦準備制度理事会)は相次ぐ利上げを行っている。2022年6月と7月は連続で0.75%の大幅な利上げを実行し現在米国の政策金利(FF金利)の誘導目標は2.25%〜2.5%となっている。一方で日本円は2016年以来マイナス金利という史上最低の政策金利が続いている。これだけ金利の差があれば誰だって日本円より米ドルを持っていた方が得だと思うのは間違いない。

米ドルの利上げと円安の急進

実は2.25%〜2.5%という金利水準は4年前に一度達している。2018年12月から2019年9月までその利率が維持されてから利下げに転じた。しかしその時日本円は105円〜110円ぐらいで安定していた。何が違ったのだろうか?

当時FRBは2016年頃から2年ぐらいかけて階段を上るように徐々に利上げを実行していた。それに対し今回は2022年3月に利上げが始まるや否やわずか4ヶ月でこの水準に達してしまった。日常生活に使う通貨として持っている日本人はまだ良いとして、おそらく日本円を持っている外国人などはそのスピードに「早く売らなければエライことになる!」と売りが売りを呼んで暴落したのかもしれない。

円安と物価高騰

この急激な円安も影響して進むのが輸入品や海外生産商品の相次ぐ値上げだ。iPhone 13の128GBモデルは従来の税込9万8800円から11万7800円に1万9000円(約19%)の値上げ。プレイステーション5は5,500円の値上げされ、ブルーレイドライブ搭載版は税込5万4978円から6万478円に約10%値上げ。そして日々必ず消費する食料品。その値上げ幅は品目によってまちまちだがざっくりと10〜15%は価格が上昇している。

長期積立投資の円安耐性

こんなときに強いのはやはり外貨建ての資産である。例えば以前から長期積立投資などの海外での資産運用を行っている場合、それを日本円換算すると為替差益だけでも大きく利が乗っていることになる。もし円安が原因のインフレに悩まされているのであれば、円安が原因で拡大したその外貨建て資産を部分的に取り崩して用立てることもできる。

むしろそれが資産の一部を海外で運用することの大きな効用であることは間違いない。そういう意味で海外での資産運用は投資ポートフォリオ内に欠くことのできない存在である。しかし現在のように海外との行き来が制限された今、どのような形で始められるのかがわからなくなっている人も少なくないだろう。

もちろん方法はある。また円安の時期だからこそ外貨建ての海外資産運用もハードルが上がり、やりにくくなっていると感じることもあるだろう。例えばUSD500/月の積立投資をおこなう場合、約1年前のUSD1=JPY108ぐらいのときは毎月の積立額は日本円換算で54,000円だったが今や7万円近くの拠出となっている。

これは消費ではなく投資なのでお金が手元からなくなるわけではなく、あくまで運用で殖やすためのものであるが、特に日本円で生活している日本人はこれで月々の支出計画が狂ってしまうことは充分に考えられる。特に日常生活に必要な他の物資が値上がりしている状況であればなおさらだ。だったら米ドルなどの外貨ではなく日本円建てで積立金額を設定できる商品を利用すれば良い。

あまたの海外資産運用商品の中では希少ではあるがそういうことのできるプランもある。

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